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わのフィンランド > 本 Book > 絵本 > Erkki Tanttu
絵:Erkki Tantu
文:Markku Tantu
216x302mm 56頁
2004年
SKS刊
フィンランドの民族叙事詩「カレヴァラ」の挿絵といえば、アクセリ・ガッレン=カッレラがあまりにも有名です。実は、エルッキ・タントゥもいくつかのエピソードを作品として水彩、木版画、油絵と、さまざまな方法で描いています。
タントゥは、カレヴァラを描くにあたり、時代設定をどこしようか迷ったといいます。それは、時代によって描くときの登場人物の服装や持ち物、風景さえも変わってくるからなのだと。この本によると、タントゥは「カレヴァラを描いた」とは書かれておらず、カレヴァラの中の一部のお話を描いたという表現になっています。また、おそらく「カレヴァラ」を描くことを目的として旅した「カレヴァラ」が収集された地域を旅したときに描いたスケッチが残っています。
実は、タントゥが描き出した200近くの蔵書票の中にも、特に民俗学や言語学、作家や教師、書籍をたくさん収集する人たちのために描いたものの中には「カレヴァラ」をテーマにしたのではないかと感じられる作品があります。ただ、タントゥ本人が「カレヴァラ」から題材をとったと明言していない以上、そのように分類するのは難しいのですが、この本で紹介されている蔵書票に関しては、明らかに「カレヴァラに題材を求めた」ものとして考えてよいでしょう。(43ページ)
〔上山 美保子〕