わのフィンランド

Jaana Aalto

リーッカ・ユヴォネン
Riikka Juvonen

 ヘルシンキとプラハで学び1955年生まれ、ヘルシンキ在住のリーッカ・ユヴォネンは、1977年代から制作活動を開始。ユヴォネン自身、小さな頃から「彫刻家の娘」トーヴェ・のような芸術家になることを夢見ていたといいます。

 また、14歳で初めてニッツァで見たシャガールの絵に啓発されたところが多いといい、いつの皮下、自分の絵を見た人に自分の経験下幸せな気持ちを伝えることができるような芸術家になりたいと心刻んだといいます。そして、シャガールの影響は、プロとして制作活動の開始した頃の燃え上がるような作品の色使いに見られるといいます。シャガールのほかにも、キプロスやイスラエル、プラハで過ごしたことが彼女の作品には見て取ることができ、このあたりが他のフィンランド人のイラストレーターが描くイラストと、色使いや雰囲気とは少し違う、または、フィンランド人の作品なのかと思わせる所以なのかもしれません。リーッカ・ユヴォネンのイラストレーターとしての名を不動のものとした作品は、彼女の2作目である「千一夜物語」(1977)の挿絵です。

 1980年から90年代に入る頃、ユヴォネンの作風は変わりました。絵のタッチも柔らかくなる水彩を使い、色使いもはっきりとしたものから、ぼやっとした感じのものになりました。それが、動物たちの毛並みや鳥たちの羽を描いたりするときの特徴となって現れています。また、イラストのほかにテキストも自分自身で書き下ろすことも多く、約半分の作品は、テキスト、イラストともに手がけています。 

(上山 美保子)

Riikka Juvonenの作品