Tuula Tiitinen
Tuula Tiitinen
トゥーラ・ティーティネン(1948~)
1948年スオネンヨキ生まれ。1966年から71年まで、フィンランド芸術アカデミーに学び、主に油彩、陶芸の分野で活躍している芸術家です。
弟で作家のEsko-Pekka Tiitinen(エスコ-ペッカ・ティーティネン)のテキストに、トゥーラが挿し絵を描いた絵本は、1986年に出版された”Kun isä löysi pojan”(Tammi)が最初でした。以来、多くの絵本を弟とともに世に出しています。
このうち、”Lintu ja poro”(Tammi 1990年)は1991年の「フィンランドの絵本賞」を受賞しました。
また、”Villi tie”(Kustannuskiila 1988)は、丸善が1991年に発売した世界41カ国の絵本コレクション「Sonrisa (ソンリーサ)」の一冊に選ばれています。
深い森に住むちっぽけな小鳥ヒッピアイネンが、生きる意味とよろこびを見つけ出していくさまを描いた絵本”Hippiäinen”(Tammi 2001年)は、子ども向けの演劇にもなりました。
Lintu ja poro”、”Hippiäinen”、そして”Villi tie”は、作品集” Hippiäinen ja hyvän päivän sadut”(Tammi 2004年)に収録されています。
暗い色合いも多用したトゥーラ・ティーティネンの絵には、主張の強い華やかさはありませんが、小鳥や野ネズミ、トナカイ、熊など、北国フィンランドの厳しい自然に生を享けた生き物たちの姿が、暖かい筆致でこまやかに描かれています。
フィンランドをよく知る人のなかには、彼女の挿し絵を「いかにもフィンランドらしい」と評する人も多くいます。
(古市真由美)
Tuula Tiitinenの作品