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わのフィンランド > 本 Book > 絵本 > Maija Karma
絵:Maija Karma 編:Zacharias Topelius
215×260mm 32頁
1984年
OTAVA刊
《版元在庫切れ》
この本を手に取ったら、まずは見返しを見てください。見開きいっぱいにこぼれおちる、色鮮やかな木いちご!フィンランドの夏、いちばん美しい季節の香りがたちのぼってくるようです。「童話のおじさん」と呼ばれたZ.トペリウスの「木いちごの王さま」は、フィンランド人なら誰でも読んだことのある、古典的名作です。日本でも紹介されていますので、子どものころに読んだ人も少なくないでしょう。この絵本は、マイヤ・カルマのみずみずしいイラストがたいへん魅力的です。森から摘んできた木いちごに、小さな毛虫がついていました。つぶしてしまえ、と言われたけれど、テッサとアイナのふたりの少女は、虫を森へ戻してやります。虫は実は、森の木いちごの王さまが姿を変えたものでした。ふたりが木いちごを摘みに森へ行き、夢中になっているうちに道に迷ってしまったとき、王さまはすてきな魔法で助けてくれます。バスケットを手に、さまざまなベリーを摘みに森へ出かけていくのは、いまでもフィンランド人にとっては夏のごく日常的な出来事です。ベリーでバスケットをいっぱいにしながらちょっと味見をしたり、ジュースやジャムを作ってびんづめにしたり…そんな心躍る作業のいろいろが、ノスタルジックな雰囲気で楽しく描かれています。森の木々や草花、かわいい動物たちもたくさん登場して、思わず笑顔になってしまう本。1985年の「フィンランドの絵本賞」受賞作。その後今日まで版を重ねている、人気の本です。(古市真由美)