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わのフィンランド > 本 Book > 絵本 > Aleksander Lindeberg
絵/文:Aleksander Lindeberg
215X246mm 39頁
(1965)2007年
WSOY刊
フィンランドではこのところ、かつての子どもたちがABCを学ぶために使った本の復刊が相次いでいます。この作品もそのひとつで、1965年に出版されたものの復刻版ですが、とにかく絵が楽しい! 動物たちも、人間たちも、それはそれは生き生きと描かれています。文字を勉強するための本ではありますが、言葉なんかわからなくても、AからÖまでの各ページを眺めているだけで、なんだかうきうきしてしまうでしょう。あまり派手でない、落ち着いていながらしゃれた色合いが、フィンランドらしい感じです。
アルファベット本としてはオーソドックスで、見開きごとに文字が1つずつあてがわれ、その文字で始まる単語がたくさん並んでいます。「J」のページには、もちろん「JOULUPUKKI=サンタクロース」が登場。サンタさんの足元にはJaffa と書かれたジュースのびんが見えますが、この名前の清涼飲料はいまでもフィンランドで人気があります。「H」のページには「HAMMASLÄÄKÄRI=歯医者さん」そして「HIRVI=シカ(鹿)」。シカの歯医者さん(日本語だと洒落になってしまいますね!)の待合室には、不安そうな顔つきの動物たちがいっぱい。歯医者さんはいまも昔も、子どもにとってはどきどきする場所なのでしょうか。
ところどころ、手書きの短い言葉遊びが添えられていますが、これは復刻版で新たに加えられたもののようです。作者Aleksander Lindeberg は、この作品で1966年のルドルフ・コイヴ賞(児童書の優れた挿絵に贈られる賞)を受賞しました。やさしい単語が集められていますので、フィンランド語を学び始めた方の楽しい副教材としてもどうぞ。(古市真由美)