商品情報
わのフィンランド > 本 Book > 絵本 > Anne Peltola
絵:Anne Peltola
文:Tittamari Martinen
215x295mm 35頁
2006年
TAMMI刊
★2007年 ルドルフ・コイヴ賞候補作
北国フィンランドの夏は、6月の夏至のころから8月の半ばごろまでです。人々は、おひさまの輝く夏がくるのを楽しみに待ちながら、長く厳しい冬を耐えるのです。この絵本を読むと、フィンランドの夏がどんなにすばらしい季節か、フィンランド人がどんなに夏を待ちこがれているかが、よくわかります。
町に住む男の子エーリスは、おとうさんとおかあさんに連れられて、「夏の家」へいくことになりました。「夏の家」は、町から離れた湖のほとりにある小さなコテージです。車に積み込んで持っていく荷物は、お皿やら水着やら長ぐつやら、帽子やらおもちゃやら本やら、箱いっぱいになります。夏の家に着いたら、まずは大そうじ。そのうちに、いとこのイーリスの家族もやってきます。イーリスったら、いつの間にかエーリスより背が高くなっています!
エーリスとイーリスは、湖で釣りをしたり、泳いだり、自転車に乗ったり(ふたりは馬に乗っているつもりなんですよ)、とびきりの時間を過ごします。お客さんがおおぜいやってくると、みんなでソーセージを焼いて食べ、大人たちも歌ったり踊ったり。夏は、楽しむためにある季節なのです。だれもが心からの笑顔を浮かべています。去年の夏も楽しかったけれど、今年はもっと楽しく感じられます。じゃあ、来年はどうなるのでしょう?
「どっちが楽しいのー? 今年の夏? 来年の夏?」エーリスが大きな声でこだまに問いかけると、こだまはちゃんと、正しい答えを返してくれます。「来年の夏!」
コラージュを効果的に使ったアンネ・ペルトラの絵は、うきうきと心はずむ夏の雰囲気をよく描き出しています。見返しに書かれているパンケーキのレシピは、夏休みのおやつにぴったり。明るいおひさまの光に満たされた、楽しい絵本です。
(古市真由美)